何が一番好きかっていうと、やはり

戦略的

に尽きるのかなーと。

試合はもちろんなんですけど、トレーニングやプロになるまでの計画など

とにかくプランがある。

プロを目指すために親を説得するシーンでは、

原稿、資料を用意しプレゼンまで実施しました。

そして親と交渉の結果、大会で優勝できなければプロをあきらめる（これも事前に主人公がプランとして用意してあった）ことになります。

テニスを始めて2年ばかりでもう崖っぷちにたたされます。

あと2年で優勝するのに何が必要かを猛烈に思考するわけです。

（この辺の目的意識がめちゃめちゃ高くて、圧倒されます）

海外に遠征に行ったり、座禅を組んでメンタルトレーニングしたり、

とにかく熱意がすごい！

大会の結果として、4位どまりとなってしまうのですが、ここがまた自分と重ねるところでもあるのですが、

約束どおり、あっさりとプロをあきらめ（ようとし）ます。

ここがまた理論派なんですよね。約束は約束。それがあったからがんばったし、これを守ることの美意識すらあったと思います。

（私も昔、大学時代バンド活動しててインディーズデビューまでしましたが、就職時にプロをあきらめてきっぱり就職した経験があります）

でも、感情的には嘘をついていてテニスは続けたかったことを自覚します。

（このあたりも自我を見つける感じが好きですね）

その後は現実的ラインに目標を定め、次の大会までに

スポンサーをつけること、収入を確保できるようにすること

を親と約束します。

このあたりは超現実的でおもしろいですよね。

優勝したからって食って行けることが保障されるわけじゃないって主人公が明確に言ってますからね。

（考えが20代半ば～後半に近いよな・・）

この漫画のもうひとつの魅力は

感情

という理論とは正反対の内容も扱っているということ。

試合に緊張したり、負けそうになって弱気になったり、本能でプレーしたり、、

そのたびにそれを理論で解決しプレーに反映させます。

主人公がプレッシャーに押しつぶされそうになるのですが、

そこでそのプレッシャーの理由を頭で明確にイメージします。明確になるとかえって緊張が落ち着くらしいのです。

理論＋本能＝理想（ゾーン）に入る

ゾーンに入ると力量の120%が出るらしく、スーパースター状態になったりします。

主人公がプレッシャーの中で思いもかけないファインプレーをしたとき、

まさにゾーンに入ったわけですが、そのゾーンに入ったときの理屈を頭で描いて再現するとこがおもしろい。

方法としてはさきほどのプレッシャーの理由を頭で明確にした後、

70%程度その理由を頭から消していく

らしいのです。そんなことよくできるなって感じなんですけど、

この頭でっかちな主人公が自分と似ていてとても好きなのです！

この漫画の主人公って通常の主人公像から少し離して書かれているところも面白くて、

対戦相手に井出君という人が出てくるんですが、

この井出君のほうが一般的な主人公っぽいんです。

孫悟空的なやつで、負けそうなほど反動で強くなったり、仲間がめっちゃいてすごい応援になったり、試合前に車に事故にあいそうになったのを助けた男の子が応援にきたり・・・

いろいろずるいやつで、試合中はかなりアウェイになってました。

でも勝っちゃうんですけどね。

この辺は作者がたぶん王道嫌いで、アンチテーゼを描きたかったんだろーなーって思いました。

このひねくれ具合（失礼ですが）も自分好みですね～

書くと結構長くなってしまいましたがぜひ読んでみてください！

＠こどもと遊びに行っておもちゃいっぱい買わされたぁと嘆いていたが、自分が見てる漫画のほうが高くね？と我に返る

2018.05